ブラジル・アルゼンチン訪問団⑧「在リオデジャネイロ日本国総領事館」

在リオデジャネイロ日本国総領事館において星野総領事より「ブラジル情勢と日本・ブラジル関係」について話を伺いました。

ブラジルは人口2憶700万人、面積はアメリカや中国の9割の広さで、いずれも世界第5位の国です。GDPも1.8兆ドルで世界第9位と、南米では突出している国です。砂糖・コーヒー、オレンジジュース、タバコ、鶏肉などが世界第1位の輸出額である農業大国であり、鉱物・エネルギー資源も世界有数の国となっています。ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ、いわゆるBRICSの中において、民主主義、領土問題、民族・宗教対立、市場規模、食糧供給、親日度の面において、総合的にもっとも日本が付き合いやすい国であるとのことです。しかし、治安の悪さは大きなビハインドであるとのことです。

最近の政治情勢については、2018年10月に向けて大統領選挙のキャンペーン真っただ中であるとのこと。主要人物として、数人上がっていましたが、元大統領のルーラ・ダ・シルヴァ氏(左派)は汚職の容疑があり、4月に収監されて出馬不可。汚職や治安対策を重視するジャイル・ボルソナーロ氏(右派)は9月6日の遊説中に殺傷事件に巻き込まれ重傷。このような混とんとした状況であるとのことでありました。経済界はジェラルド・アルキミン氏(中道右派)になって欲しいとのことでありました。

先日、大統領選挙が行われ、当選に必要な過半数の候補がいなかったため、決選投票となったようです。重体である右派のボルソナーロ氏(46%)と左派のアダジ氏(29%)です。ボルソナール氏は回復したのですね。まさに、ブラジルのトランプという名がふさわしい人物であると聞きました。また、アダジ氏は、頂いた資料に名前があり、元サンパウロ市長でありますが、収監された元大統領シルヴァ氏の急遽の代わりであり、厳しいのではないかという話でありましたが、決選投票に残ったのですね。経済界が最も望む人物でないということが、これからのブラジル経済界、ひいては日本にとってどのような影響があるのか、注視していかなければなりません。

また、自動車産業についても話を伺いました。日本からはトヨタ、ホンダ、日産、三菱(現地委託)、スズキ(現地委託)がブラジル国内で生産しており、トヨタは年間20万台、ホンダが13万台、日産が7万台を生産しています。しかし、BIG4と呼ばれるフィアット、VW、GM、フォードが圧倒的なシェアを持っていますが、2012年には70%あったシェアが2016年には55%まで落ちてきています。日本企業の努力が実りつつある結果です。ここで面白い話を聞きました。ブラジル国内で一番生産されているのはフィアットであり、2016年で18%であります。これは自国のイタリアですらない数字で、フィアットがこれほど生産割合を占める国はブラジルだけであるとのことです。

その他にも、MRJの量産を目指す愛知県にとって興味深い航空機産業の話も伺いました。ブラジルにはエンブラエル社があります。ボーイングやエアバスとの勝負を避け、50~100席クラスのリージョナルジェットで勝負をしている同社と、今後日本は競争していかなければなりません。

私からいくつか質問させていただきましたが、AIやIOT、ロボットなどの次世代産業、またキャッシュレス社会の推進については、まだまだ欧米やアジアのような熱はなさそうに感じました。その他多岐にわたる話をお聞きする中で、今後日本とブラジル、愛知とブラジルの在り方を考える良い知恵を頂きました。ただ時間に限りがあり、全てについてお話ができませんでしたが、まだまだブラジルについて興味深いことは多いです。

今回のブログにて、南米調査の報告は終わります。各団員の詳しい報告書はこれからまとめられ、冊子になっていきます。愛知県か愛知県議会のホームページに載りましたらまたご報告しますので、詳しくはそちらをご覧ください。ブログとしては「番外編」としてあと1回更新します。実際にブラジル・アルゼンチンという国を見て感じたことなどを書きたいと思います。

※在リオデジャネイロ日本国総領事館は写真撮影不可でしたので、写真はリオデジャネイロ市庁舎内のものです。